阿弥陀経の十六羅漢と釈迦十大弟子

阿弥陀経の十六羅漢

ガヴァンパテイ(驕梵波提)
『大無量寿経』では牛王という名で呼ばれております。この人は前々世の業で500年の間牛になっていたという伝説があるのです。これはまあ何でもないことなのですけれども、田圃の稲がよく実ったかどうかということを調べるために、ちょっと稲の穂を摘み取られた。その時、少し地面にこぼれたのです。だから、軽い罪なのでしょうけれども、そのために500年の間牛に生れるようになっていたというのです。そのために、仏弟子の中へ来ても、どうしても何か牛の癖が出る。つまり一度食べた物がもう一返口の中へ返って来る。だから、いつもそれを噛んで口を動かしているというような癖もあったようです。それで、皆が牛王と呼んだのです。
この人はベナレスの非常に裕福な長者の息子でした。この友だちに耶舎(ヤサ)というのがいました。この耶舎が非常に無常を感じて、世の儚さというものを知って、遂に釈尊のところへ弟子入りしてしまった。そして、驕梵波提もその時一緒について行って出家してしまったのです。この時、耶舎と4人の友だちが一緒に出家しています。『大無量寿経』では耶舎のことを「尊者名聞」と言ってあります。「尊者名聞、尊者善実、尊者具足、尊者牛王」とある四人です。この最後に出てくる牛王というのが驕梵波提です。
この人も非常に真面目に道を求め、本当に仏弟子らしく生きてゆかれました。そのため、天の供養受けるのはこの人の右に出る者がなかったということで、受天供養第一と言われた人であります。仏弟子らしく道を求められたために、様々な人から非常な供養を受けられ、仏弟子の中でこれほど供養を受けた人はないと、そういうように言われている方なのです。それが驕梵波提です。(仲野良俊)
          
耶舎の友人であり、彼の出家を聞いて鹿野苑に行き出家した。舎利弗を師とし、神通力に優れていたといいます。釈尊の死を聞いて投身し入寂しました。(瓜生津隆真)